日本プロフィバス協会

世界で最も使用されているフィールドバスPROFIBUS
産業用Ethernetの標準PROFINET

IO コミュニケーション

IO コミュニケーションのオーバービュー

〇アクティブなオープンスタンダード
PIの証明されたテクノロジー。PIは10年間に渡り信頼と高性能が証明されたIO通信技術を
提供しています。PIのIO通信技術はアプリケーション固有のタスク、IO-Linkの完全な統合、
包括的な診断機能等、広範囲をカバーします。PIのIO通信技術は産業分野で要求される
リアルタイム性と必要なデータ量を適格に転送できるパワフルな技術です。

IO通信では使用されるインフラとそれに関わるエコシステムへの対応も重要です。
プラグ&プレイでのケーブル挿抜、設置環境に合わせたガイドライン、ネットワークの堅牢性、
セキュリティ要求への対応等、、多くの項目が含まれます。

ユーザー、システムインテグレータ、装置メーカーはPIのIO通信技術に対応するデバイスベンダ、
PI組織のコンピテンスセンター、テストラボ、トレーニングセンターのサポートをグローバルで受けられます。
マーケティング活動も各国PIと共同で実施できます。PIのIO通信技術は証明された技術と
そのサポートの他、ユーザー、ベンダとともに普及活動も実施できるような技術と実績を誇ります。

〇オートメーションの世界では、、
技術は常に安定利用でき迅速な更新、機能追加が実施されなければなりません。
PIのIO通信技術はオートメーションと通信に於ける新たなチャレンジに対応してきました。
インダストリー4.0への対応、その為のデジタル化の促進にも対応できる技術となっています。

●フィールドで拡張されたデータへの連続したアクセス
●オブジェクトモデル化
●オープンな新たなベーシック技術
●堅牢で高速なIO通信

〇オープンで互換性、相互運用に対応したシステムはインダストリー4.0の実現のキーポイント
特に互換性、相互運用は今後の開発方針では重要な要素となります。
開発と機能追加は証明された現在の技術がベースになることが望まれます。
PIではアーキテクチャのオープン化とモジュール化に20年以上前から対応しています。
新たな技術をシームレスに統合できます。TSN、OPC UA、APLのような新技術も統合できます。

オープンなTCP/IPへのアクセスはPROFINET技術と大きく関わります。今後の拡張に重要な
特長と言えます。開発中に於いても明確なトレースが可能となり信頼あるテストソリューションの
構築にもつながります。

このような技術的なメリットの他、PIの世界組織がデバイスベンダーの開発をサポートします。

IO コミュニケーションの詳細

TCP/IPベースなオープン技術により幅広い用途に対応可能

最新の市場調査でもPROFINET対応デバイスの出荷が増加しています。
2019の調査では640万台のPRIFINETデバイスが設置されています。前年から25%増加です。
累積では3240万台となりました。
PIテクノロジが多くの産業分野で採用され、その結果、多くの対応デバイスが市場にリリース
されています。10年以上前からPIはこのような状況を目標としていました。

TCP/IPをベースにするPROFINETアーキテクチャの優位点は他のTCP/IPデータと
PROFINET IO通信をメディアでは共存しますがデータは独立していることです。
PROFINET IO通信の為のハード追加は不要です。更には異常時の特定に大幅な労力、時間を
必要としません。ネットワーク上にエッジゲートウェイを追加設置することで他の通信プロトコルとも
直接接続できます。


PHOTO
TCP/IPを統合するベーシックなファームウェアアーキテクチャ

〇診断データの簡単な取得
インダストリー4.0は製造現場の広範囲の情報をベースに実現されます。特に自動化設備の
装置、デバイスには、遠隔メンテナンス、資産管理、予知保全、状態監視、解析データ等が
益々要求されます。最適な製造設備に柔軟に対応してゆく為に必要になります。

診断メッセージは、異常発生時にアラームメカニズムに認識されコントロールシステムに最初に
伝達されます。詳細な情報はコントローラからHMIまたはネットワーク上の他のデバイスから表示
されます。


PHOTO
診断情報のアラームとアサイクリックな読込、コントロールシステムの応答

診断情報のアラームとアサイクリックの読込はコントロールシステムでの応答を可能にしますが、
重畳されたシステムでは診断情報を個別に収集することも可能です。

例えば、
プラント全体で使用されているデバイスのハードウエアとファームウェアのバージョンを更新する為には
集中的な管理、記録が必要になります。複雑なオペレーション無しで目視での診断を
実現できますが、情報を収集する為の準備が必要となります。

PI技術により、これら診断情報収集の実現は一定以上が可能になります。

〇デザイン時点で適格性と通信速度を考慮
適格性と通信速度はPROFINETデバイスをデザイン時点で必要項目に含まれるので
PROFINETのネットワークでリアルタイム通信とTCP/IPデータとの共存が可能になります。
最適なメカニズムは使用要求により柔軟に適用できます。msecレベルのバスサイクルを実現できます。
IRTではネットワークとアプリケーションが1msecの正確さで同期が可能です。
IO通信が正確にプランニングされます。IRTは印刷機、実装機等の高精度で多数のデバイスの
同期を必要とするアプリケーションに適した技術です。31.25msecのサイクルタイムが可能です。
これらメカニズムをTSN上で使用できるようになっています。
(PROFINET over TSNをご参照ください。)


PHOTO
IOデータとTCP/IPリアルタイム間のネットワークトラフィックの送信

〇ユーザーへのベネフィット:オープンでベンダー相互のデータモデル
オープンでもベンダーの独立性を保証する為には標準化が必要ですが各ベンダーのエキスパート
の共同作業は複雑でもあります。PIは効率性、透明性、オープン性の為に必要な基礎を
提供します。PROFINETのような通信システムのみではなくPROFIsafe, PROFIdrive,
PROFIenergy等、長年採用されているユーザープロファイルも提供します。

〇PIは多くの異なるWG、テクノロジーをコーディネイト
各ベンダーが"ユーザーがアクセスするデータ""アクセスデータの表示"を詳細に特定する作業を
(マニュアル作成も含めて)軽減させます。ベンダーが各デバイス毎に固有機能を統合することは
大変な作業ですが、PIが解決します。

〇PIのスタンダードソリューションはデバイスに機能を実装するプログラマの作業を軽減
システムのスタートアップでのエンジニアリングも低減します。ユーザーはパラメータについて不安無く
デバイス交換が可能です。IRT(同期)、冗長化、ファストスタートアップ等、PIが提案する
機能も利用できます。デバイスのユーザーはPIテクノロジーと機能に対応したデバイスを利用できます。

〇固有の要求、用途の為のシンプルなソリューションと利用可能な多くのオプション:

シェアードデバイス/シェアード入力:
異なるコントローラから同じデバイスへのアクセス
●入力の並行読込→コントローラ間のデータコピールーティン
●安全コントローラと標準コントローラからの接続

ファストスタートアップ:
ロボットのツールチェンジャ用デバイスのファストスタートアップ
様々な冗長化メカニズムに対応
様々なメディアに対応

〇統合を簡単に
PIは標準化団体間のスムーズはワークフローに貢献するインターフェースの役割も担います。
ITセキュリティのエキスパートと基本技術やデバイスベンダとの連携、OEMベンダーとユーザー
との関係構築に貢献します。OPC協議会様、フィールドコムグループ様、AIDA様、Namur様
等と既に連携しています。

PIはBIG PICTUREを描き皆様に提案してゆきます。
新技術を迅速にPI技術と連携、実装し、その結果ベンダーの対応デバイスの更新、
市場リリースにもタイムリーに貢献します。

 IOコミュニケーションのユースケース

ネットワークトポロジーと状態表示
デバイスの開発、装置や設備の立上げでは多くの変更、調整が発生します。これら変更作業は
既存のマニュアルに沿って行いますが、大変な作業になります。設備全体のライフサイクルと
装置、デバイスのライフサイクルは各々異なります。メンテナンスや修理が想定外で発生します。
予備品の管理も複雑になります。シンプルで信頼できるマニュアルが大変に便利です。

PROFINETでは対応デバイスでのアセット管理機能を提案しています。
設備のトポロジー管理と接続デバイスのモジュール管理が表示可能です。

〇資産管理
資産管理に関わる情報に簡単、迅速にアクセスできます。現場のコントロールシステムの
状態、機能とは独立しPROFINETデバイスが対応します。デバイスが資産管理情報を扱う
機能に対応します。
設置デバイスは?バージョンは?状態は?、、これら情報を確認できます。
これら情報がより正確な診断機能のベースとなり設備管理にも有効に利用できます。

資産記録のサービス(資産管理、記録へのマッピング<AMR>)に対応する為、I&M機能が用意
されています。

〇診断
装置やシステムへのシンプルで迅速な診断メカニズムがあれば高い生産性にもつながります。
PROFINETの一貫した診断メカニズムは短時間で設備、システム全体の状態監視を可能にします。
PROFINETデバイス、システム向けに情報収集し試運転時の詳細な診断に対応したツールや
デバイスを利用できます。運転中の診断、イベント(異常)検知とその詳細情報の確認等、
ユーザーの要望に対応します。異なるベンダーの接続デバイスでも同じエラー表示で確認できます。
デバイスやベンダー固有のエラーについてはGSDファイルでの説明を参照できます。

OPC UA、TSN、FDI(Field Device Integration)、これら連携技術も重要な情報を
効果的且、迅速に取集できます。これら技術単独ではシステム、全デバイスの診断はできませんが
PROFINET対応デバイスは世界で3000万台以上も設置されています。連携、併用することで
大きな効果が期待できます。
世界的にも技術連携は重要となりPIも他技術団体との連携を積極的に実証しています。
OPC UA, PROFINETのコンパニオンスペックでOPC UAデータモデルを使用しデータをマッピング
できます。オープンなPROFINETがOPC UAインターフェースを追加することによりクライドサービスへの
ダイレクトなデータ送信や対応ソリューションを再構築なくエッジゲートウェイ経由で上位に
アクセスできます。

〇モーションコントロールの為の同期
IRTの同期(同期クロック)はデバイス内部のデータ処理の同期を基本にしています。
全ての分散されたデバイスの入力は同期的に記録されコントロールシステムで処理されます。
モーションコントロールデバイスと他のデバイスの出力の同期も同様です。

〇冗長化
PI技術の大きな優位点は各要求に対応できる拡張可能な冗長化にも対応していることです。
PROFINETは2つのメディアの冗長化(MRP)に対応:
MRPと二重のメディアの冗長化(MRPD)

●MRPはPROFINETのベーシックな冗長化です。PROFINETがリングトポロジーで構築される場合
に対応可能です。PROFINETの標準的なリアルタイム通信では十分な仕様です。
●MRPDはIRTでの高速なPROFINETのコントロールデータ伝送に対応します。

システム冗長化にも対応します。2つのコントローラが1つのデバイスにアクセスするS2または
2つのコントローラが2重のインターフェースを持つR1に対応します。
MRPとシステム冗長化の組合せも可能です。プロセス用途やインフラシステムで要求されます。

〇IO-Linkの統合
IO-Linkは(センサーやアクチュエータ等の)IO-Linkデバイスと(IOターミナルやコントローラ等の)
IO-Linkマスタ間のデータ交換を実現します。インダストリー4.0で要求される
装置、システムのネットワーク下層レベルの(センサーやアクチュエータ等)全データの活用、見える化
を実現します。装置向けに期待される通信技術です。

オートメーションシステムやフィールドバスのコンフィギュレーションでは、IO-Linkシステムは
IO-Linkマスタと(接続されるIO-Link)デバイスの記述ファイルが表示されます。
IO-Linkマスタはフィールドバス上ではサブスクライバまたはフィールドバス上のIOターミナルと
なります。IO-Linkのデバイス記述ファイルはIOターミナルのポート番号、アドレス、
モジュールプロパティを記述します。

〇プロファイル
アプリケーションプロファイルはデバイスの固有機能の標準化を高いレベルで実現します。
PIは多くのプロファイルを仕様化しています。PROFIsafe, PROFIenergy, PROFIdrive,
プロセスコントロールデバイス等がリリースされています。アプリケーションプロファイルは
ベンダーとは独立し装置、システムのデータ、情報交換を実現します。

住所

〒141-0022
東京都品川区東五反田3-1-6
ウエストワールドビル4F
TEL:03-6450-3739