日本プロフィバス協会

世界で最も使用されているフィールドバスPROFIBUS
産業用Ethernetの標準PROFINET

産業用ネットワークの説明

産業用ネットワークとは

産業用ネットワークとは、工場などで稼動している現場機器(測定器、操作器)とコントローラ間の信号のやり取りをデジタル通信を用いて行う規格です。従来のアナログ信号での信号伝送に比べて、多くのメリットが期待されています。
特に近年、現場機器の性能がマイクロプロセッサを搭載することで、飛躍的に強化されています。産業用ネットワークは現場機器の持つ情報を収集し、工場運転の効率化を図るための基本技術です。
たとえば、工場内ではさまざまな機器が稼動していますので、できるだけたくさんの機器を接続できるオープンなネットワーク規格が望まれます。また、産業用ネットワークはコントロールの最前線にある現場機器との信号伝送に使われますので、速いスピード、信頼性、容易なエンジニアリングなどの機能が必須となります。
それに加え、現場でTCP/IP技術を活用するための多機能性も求められています。

産業用ネットワークを使うメリット

一般的に産業用ネットワークを用いることによりユーザ、ベンダー共に次のメリットを期待できます。

(1) 1本のケーブルで複数の機器の信号または1個の機器内にある複数のデータをアクセスできます。
つまり、少ない配線でたくさんの信号を伝達できます。また、現場機器がインテリジェント化するほど、パラメータの設定が必要になりますが、これらのパラメータの通信も同時にカバーできます。

(2) コントローラまたは受信機において、A/D変換、D/A変換が不要となるため、正確に信号を伝達できます。
最近の現場機器にはマイクロプロセッサを搭載して、高精度にデータ測定を行うものが少なくありません。また特にプロセスのクリティカルなポイントを精度良く測定したいときには,デジタル信号でのダイレクト通信が求められます。

(3) 通常、1本の通信ラインには、数十ないし百個程度の機器が接続できるので、配線コストが節約できます。
同時に、信号の中継盤などが不要になるため、盤自体のコスト、設置面積なども節約できます。大規模システムでは今まで、計器室の横に中継盤を設置することが多かったのですが,このようなスペースも削減されます。

(4) システムの変更、拡張等に対して、柔軟性が増します。
従来システムの場合,機器の増設を行うとき,新たに配線をすることもありました。産業用ネットワークは複数機器がバス上に設置できますので,簡単に機器の増設ができます。また、従来システムでは改造にあわせてのドキュメントの変更が大変でしたが、産業ネットワークのシステムでは通常PC上にシステム構成が格納されているために,図面と現実のシステムとのギャップがありません。

(5) 単にデータ通信するだけでなく、機器データの通信、校正等も行えるなど、用途が広まります。
たとえば、アナログ信号では機器の故障を正確に伝えることは簡単ではありません。産業用ネットワークでは、故障信号を送ることができます。特にプロセス産業では,今まで手作業で行っていたPCへの機器管理情報の入力を自動的に行えるというメリットがでてきます。このようなデータベースを正確に作ることで、現場機器の予防保全の方法も進化していきます。

(6) 特に産業用Ethernetを使うシステムでは、機器がIPアドレスを持ち、TCP/IP、UDP/IP通信ができます。これによりEthernetでよく使われるコマンド(ping等)で稼働機器をチェックしたり、LLDP/SNMPなどのコマンドで機器状態を報告・モニタできます。

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