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■MTP 2.0:標準規格から産業規模の導入へ■
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"MTP 2.0: From Standard to Industrial Scale"
ここ数年のMTP(Module Type Package)の進展を追ってきた方なら、
2026年に大きな転換点が訪れたことにお気づきでしょう。
長らく議論の中心は、
「MTPの仕組みはどのようなものか」
「どの機能を標準化すべきか」
「このコンセプトは実用において価値を証明できるか」
といった点でした。
今日では、MTPをいかにして業界全体に展開するか、
企業がいかにして導入を開始するか、
そして異なるメーカーのソリューションをいかにして確実に連携させるか、
といった点に重きが置かれています。

標準規格の現状
この点において重要なマイルストーンとなったのが、2026年1月にリリースされた
MTP 2.0です。この新バージョンにより、標準規格は大きく前進しました。
仕様がより明確化され、高品質なMTPを実現するためのベースが強化されるとともに
より広範な産業用途への適用に向けた準備が整いました。
同時に、エコシステムも拡大しています。MTPを自社製品に組込むメーカーが増え、
実際の生産現場でのプロジェクト導入が始まり、
エンジニアリングや検証、評価を支援する新しいツールも登場しています。
こうした動きは、PI(Profibus & Profinet International)内での
活動のあり方も変えつつあります。仕様のさらなる発展に加え、
市場への導入、知見の共有、そして品質保証が活動の中心となっています。
今年はMTPの実用化を促進するような取り組みに重点が置かれています。
ウェビナーやワークショップなどの情報提供の場では、
PEA(Process Equipment Assembly:プロセス機器アセンブリ)の設計や
適切なモジュール化から、プロセスオーケストレーション層への統合、
さらには具体的なエンジニアリングや統合プロセスに至るまで、
幅広い課題が取り上げられています。
例えば6月には、PAVIS社およびMerck社との協力により、
実際のプロジェクトにおいてMTP 2.0を用いた
「プラグ&プロデュース(Plug & Produce)」
をいかに実現するかの活動が行われました。
MTPが産業界へ、そしてその先へ

現在高まっている関心の高さは、9月29日にダルムシュタットの
Merck社で開催される新しいイベント「MTP goes Industry」によく表れています。
当初は、PEAメーカー、プラント運営者、システムインテグレーター、
技術プロバイダーからなる比較的小規模なグループでの開催を計画していました。
しかし、反響は私たちの予想をはるかに上回るものでした。
当初用意していた約70名分の定員は、あっという間に埋まってしまったのです。
Merck社と協力し、参加定員を約130名にまで拡大しましたが、
それでもなおキャンセル待ちが発生するほどの反響がありました。
私にとって、これは今年最も重要な兆候の一つです。
市場から寄せられる質問は、より具体的な内容へと変化しています。
メーカーは自社製品をMTP(Module Type Package)に対応させる方法を模索し、
プラント運営者は将来的にPEA(Process Equipment Assembly)や
パッケージユニットに対してどのような要件を設けるべきかを検討しています。
システムインテグレーターは、効率的な統合に必要な情報を求めています。
さらに、エンジニアリングの工数、評価、費用対効果、そして適切な導入戦略に
関する質問も寄せられています。
こうしたトピックは、Merck社で開催されるプログラムにも反映されています。
業界の事例紹介、様々な分野のユーザーを交えたパネルディスカッション、
ワークショップ、ラボ見学、そしてソリューションプロバイダーによる
展示会(マイクロフェア)などが予定されています。
何よりも、このプログラムは、MTPの開発者、製品への組み込みを行うメーカー、
調達担当者、そして実際にプラントへ導入する人々が対話できる場です。
こうした対話は9月以降も継続されます。
「Smart Process Manufacturing Congress(スマート・プロセス・マニュファクチャリング・コングレス)」
において、PIは「MTP 2.0 ― 品質の側面、市場での初期導入実績、最新の動向」
と題して現状を報告する予定です。
また、2026年のNAMUR年次総会でも対話は続きます。
現在、「MTPとNOA(NAMUR Open Architecture)の最新情報」に関する
合同ワークショップが計画されています。
これは、両分野の最新動向を一堂に会させ、エンドユーザーと議論を交わす
絶好の機会となるでしょう。
NEXT 「品質と適合性」について
MTPの利用拡大に伴い、もう一つの重要なトピックである「品質と適合性」
への関心も高まっています。共通規格というものは、
その要件が異なるツールやメーカーによって再現性のある形で
実装・テストされて初めて、その真価を発揮します。
こうした状況を受け、Stephan Hensel博士が率いるPIの
「品質および適合性試験に関する合同ワーキンググループ」は、
検証、試験、そして長期的には認証に至るまでの体系的な枠組みの
構築に取り組んでいます。
第一段階として注力しているのは、MTPファイルのオフライン検証です。
ここでは、「Open Packaging Conventions(OPC)」に基づく
パッケージ構造、AutomationML/CAEX構造、
そしてMTP固有のモデリングルールの3つのレベルが検証されます。
これにより、エラー箇所をより正確に特定し、エンジニアリングプロセスの
早い段階で検出することが可能になります。
ここで特に重要なのは、規定上の要件を機械可読なルールへと変換することです。
これらのルールは実際のテストエンジンから切り離されており、
仕様書内の要件へと直接遡って確認できるようになっています。
長期的には、このアプローチが、エンジニアリングツール、
PEA(プロセス機器アセンブリ)、および
POL(プロセス・オーケストレーション・レイヤー)を対象とした、
より広範な試験・認証の仕組みを支える重要な基盤となります。
私にとって、こうした進展は2026年時点でのMTPの立ち位置を明確に示しています。
MTP 2.0は、技術的により成熟した基盤を提供しています。
市場の反応を見ても、産業界での実装が加速していることは明らかです。
同時に、品質と適合性に関する取り組みは、信頼性の高い相互運用性を
実現するための共通の基盤を築いています。
こうした状況は、PIの活動の役割をも変化させています。
標準化、市場での実務経験、そして品質保証が、
互いに密接に結びつき合うようになっているのです。
MTPがワーキンググループでの検討段階から産業界での実用段階へと、
これほど急速に移行している様子を目の当たりにできるのは、
非常に刺激的なことです。そして、まさにこのフィードバックループこそが
鍵となります。現実世界で何が機能し、何が不足しており、
企業が真に何を必要としているのか
――そうした要素が、MTPの今後の展開を形作っていくことになるでしょう。

Anna Menschner
Joint Working Group Leader
MTP Marketing
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